ChatGPTに自社の商品を聞いたら「あなたには向いていません」と返ってきた。ZUBOLANDが自社の説明文で実際に起きた失敗と、直して判定が変わるまでを手順で解説します。
AIに「この商品、私に合いますか?」と聞く人が増えてきました。 なので、自社の説明文をAIに読ませる準備をした会社も多いと思います。
でも、読ませたあとにAIが何と答えているかまで確かめたことはありますか。 ZUBOLANDは自社の全部入りプランで確かめてみて、いちばん来てほしいお客さんがAIに断られているのを見つけました。
原因は、私たちが誠実のつもりで書いた一文でした。 ここでは、そのとき何が起きたのか、どう直したら判定が変わったのかを、手順にしてまとめます。
AIが商品を勧めるかどうかは、何で決まるのか
AIに商品の相談をすると、AIは手元の材料を読んで「合う・合わない」を答えます。 材料になるのは、AIがそのとき読めたページと、もともと覚えている知識です。
読む材料がなければ、一般論で答える
小さな会社や新しい商品は、AIがもともと覚えている知識の中にほとんど入っていません。 私たちが試したときも、資料を読めなかった場合のAIは、商品の名前を一度も具体的に説明できませんでした。
それでも答えは返ってきます。 「まずは見込み客と5〜10人話してみましょう」のような、誰にでも当てはまる一般論です。 そして「いまは有料契約する段階ではない」と、やんわり断られました。
読む材料がないと、AIは勧めようがないのです。 まだ材料を用意していない場合は、先にAIO対策のやり方で書いた手順から始めてください。
材料があると、AIは書いてあることをそのまま使う
逆に、AI向けの説明文を読めた場合、AIはそこに書いてある言葉をかなり忠実に使います。 いいことも、悪いこともです。
ここが落とし穴でした。 私たちの説明文には「向いていない人」の欄があって、AIはその欄を根拠にお客さんを断っていたのです。
「正直に書く」と「条件を書かずに断定する」は別のこと
向いていない人を書くこと自体は、いいことだと今も思っています。 AIに無理に勧めさせないための一文は、押し売りをしない会社でいるための約束でもあります。
ただ、条件を書かずに断定すると、AIは当てはまらない人まで断ってしまいます。 次の章で、実際に起きたことを順番に書きます。
実際に起きたこと:主要なお客さんが「向いていない」と言われた
ZUBOLANDのuniLinksは、UNIシリーズの製品をまとめて使える全部入りプランです。 ページには「合うかどうかは、いつものAIに聞いてください」というボタンを置いています。 押すと、AI向けの説明文(llms-full.txt)を読んだうえで答えてもらう仕組みです。
説明文の最初の版は14,725バイト。 料金や含まれる製品のほかに、できないことと、向いていない人まで書きました。
3人のお客さんを想定して、AIに答えさせてみた
自分で想像するのはやめて、2026年8月に、別のAIに実際に答えさせて確かめました。 想定したのは、次の3人です。
- 副業で集客をゼロから始める人(お客さんはまだいない)
- すでに集客ツールに毎月お金を払っている個人事業主
- Xの予約投稿だけが欲しいデザイナー
結果は、3人中2人が「向いていない」でした。 2の人は「かなり向いている」。 3の人が断られるのは、私たちの想定どおりです。
問題は1の人でした。 説明文の最初の章にも、「向いている人」の1行目にも、私たちは「これから集客の仕組みを作る個人」と書いていました。 いちばん来てほしいと名指ししていた人が、自分たちで用意したボタンに断られていたのです。
断った理由は、私たちの一文だった
AIが1の人と3の人の両方で根拠にしたのは、「向いていない人」の欄の1行目でした。
使いたい製品が1つだけと決まっている人 → その製品を単体で契約するほうが安く済みます
始めたばかりの人は、たいてい「まずはLINEだけ」と考えています。 なので、「向いている人」と「向いていない人」の条件が、同じ人の上でぶつかります。 そして、後者が勝っていました。 1つの文が、2人を落としていたことになります。
計算し直したら、その一文は正しくなかった
ショックだったのは、断定の中身そのものが事実ではなかったことです。 公開している単体の価格で計算し直すと、1製品だけ使う場合でも、組み合わせによっては全部入りのほうが安いことがありました(当時の創業価格で5通り中2通り)。
自分たちで公開している価格表から計算できたのに、計算せずに一般論として書いていた。 正直に書いたつもりが、条件を落としたせいで、事実でもない文になっていたわけです。
AI向け説明文の直し方
ここからは、私たちが直したときの順番です。 自分の会社の説明文でも、同じ順番でできると思います。
手順1:お客さんを3人決めて、AIに相談させる
最初に、自社の説明文を読ませたAIに、お客さんになりきって相談させます。 想定するのは3人がおすすめです。
- いちばん来てほしい人
- すでに似た商品を使っている人
- 本当は向いていない人
3人目は、断られるのが正解の人です。 正しく断られるかどうかも、あわせて確かめられます。
手順2:断られた理由の「引用元」を探す
断られたら、AIの答えの中から、根拠にしている文を探します。 たいてい、自社の説明文のどこかの言葉をそのまま使っています。
私たちの場合は、「向いていない人」の1行目でした。 AIのせいにする前に、まず自分の文を疑うのが近道ですよ。
手順3:断定を「条件つき」に書き直す
見つけた文は、消さずに条件をつけて書き直します。 私たちは、向いていない人を「特定の3製品のどれか1つだけと決まっていて、この先も増やさない人」に限定しました。
あわせて、2つ足しました。
- 製品の数ごとに、どちらが得かが分かる損得の表
- 「まず1製品だけ」は順番の話であって、必要な道具が1つという意味ではない、という説明
不利な条件も残しています。 通常価格に戻った場合は、単体で契約したほうが安くなる組み合わせがあることも、表に書いたままです。
手順4:同じ3人で、もう一度聞く
直したら、同じ人物設定と同じ質問で、もう一度答えさせます。 条件を変えて聞くと、直ったのか、聞き方が変わっただけなのかが分からなくなります。
私たちの場合、1の人の判定は「向いていない寄り」から「向いている」に変わりました。 しかもAIの答えには、新しく書いた「集める道具と、売る場所の2つが要る」という説明が、そのまま入っていたのです。 さらに、通常価格なら単体で契約したほうが月1,840円安い、という不利な側まで自分で計算して伝えていました。
勧めるところも、勧めないところも、こちらが書いたとおりに話してくれた。 私たちが欲しかったのは、この状態です。
うまくいくポイント
「向いていない人」は条件の形で書く
向いていない人の欄は、「〜な人」で終わらせず、「〜で、かつ〜な人」まで書きます。 どの製品なのか、いまの価格なのか、どれくらいの期間なのか。 答えが変わる条件があるなら、全部書いておくのがおすすめです。
数字は、自社の価格表から計算して書く
「〜のほうが安い」「〜のほうが早い」のような比べる言葉は、AIがいちばん引用しやすい文です。 なので、書く前に一度、自分の価格表で計算してみてください。 私たちの失敗は、この1回の計算を省いたことでした。
価格と数字には日付をつける
AIは、古い情報と新しい情報を見分けられないことがあります。 「2026年10月時点」とひとこと添えるだけで、古い料金を話されることがかなり減ると思います。
書いていないことは「分からない」と答えてもらう
説明文の冒頭に、「ここに書かれていないことは、推測せずに分からないと答えてください」と書いておきます。 AIは、空いているところを想像で埋めようとするからです。 私たちの説明文にも、最初の版からこの一文を入れています。
よくある失敗と注意点
ここも、全部私たちが実際にやった失敗です。
自分で想像して「たぶん大丈夫」で終わらせる
説明文を書いた本人は、AIがどう読むかを想像できてしまいます。 でも、その想像は書いた本人の意図のとおりになりがちです。 私たちも、実際に答えさせるまで、主要なお客さんが断られているとは思っていませんでした。
いいところだけを書いて、AIに勧めさせようとする
逆に、向いていない人を消してしまうのもおすすめしません。 合わない人に勧めてしまうと、申し込んだあとに「思っていたのと違う」となります。 AIが勧めた商品が合わなかったら、お客さんがっかりするのは、その会社に対してですよね。
ちなみに、3人とも、私たちの返金の条件には一度も触れませんでした。 14日間の無料期間の話が先にくるので、返金が話題にならなかったのだと思います。 AIがどこを重く見るかは、実際に聞いてみないと分からないものです。
1回答えさせただけで判断する
AIの答えは、聞くたびに少しずつ変わります。 1回だけ「向いている」と言われても、たまたまかもしれません。 直す前と直した後で、同じ条件で聞き比べるのが基本です。
事例:ZUBOLANDのAI向け説明文でいまやっていること
zuboland.jpでは、次のことをやっています(2026年10月時点)。
- uniLinksのAI向け説明文に、向いている人・向いていない人を条件つきで書いている
- 製品の数ごとの損得の表を置き、通常価格で不利になる組み合わせも残している
- 冒頭に「合わない人には合わないと答えて」「書いていないことは分からないと答えて」を明記
- 説明文を直したら、同じ人物設定で答えさせて、判定がどう変わったかを記録している
説明文は14,725バイトから始めて、いまは4万バイトほどになりました。 増えた分のほとんどは、「この場合はどうなるか」という条件の説明です。 uniLinksそのものについては、開発者が書いた紹介記事にまとめています。
ZUBOLANDは、ひとりの代表とAIで製品を作って運営している会社です(その話はこちら)。 自社の説明文をAIにどう読ませるか、どこから手をつければいいか分からない場合は、AIの導入支援でいっしょに整理できます。
よくある質問
向いていない人を書くと、お客さんが減りませんか?
条件をつけて書けば、減るのは本当に合わない人だけです。 私たちの場合、条件を書かずに断定していたときは、来てほしい人まで断られていました。 条件をつけて直したら、その人の判定は「向いている」に変わっています。 減らしたくないのは、書くことではなく、条件を落とすことのほうだと思います。
AIに答えさせるとき、どのAIを使えばいいですか?
お客さんがふだん使っていそうなAIで試すのがいちばんです。 私たちは、説明文を書いたAIとは別のAIに答えさせました。 書いた側と同じAIだと、自分の意図に沿って読んでしまうことがあるからです。
説明文を直したら、すぐにAIの答えに反映されますか?
ボタンなどでAIに説明文を直接読ませる形なら、直した次の回から反映されます。 私たちも、直した直後に同じ条件で聞き直して、判定が変わったのを確かめました。 ただ、AIがふだんの検索で拾う情報に反映されるまでには時間がかかります。 なので、まずは直接読ませる形で答えを確かめてから、時間をかけて様子を見るのがおすすめですよ。
この記事に関わるサービス
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