ChatGPTやGeminiに聞かれたとき、自社の名前は出ていますか。小さな会社のAIO対策を、ZUBOLANDが自社サイトで測った数字と失敗をもとに、手順で解説します。
お店や会社を探すとき、検索サイトより先に、AIに聞いて探す人も出てきました。 「町田でおすすめの整体を教えて」と聞けば、AIが何店か名前を挙げてくれる時代です。
でも、そこに自分の名前が出ているかを確かめたことはありますか。 ZUBOLANDは自社のサイトと製品ページでAIO対策をやってきましたが、測ってみると思っていたより穴だらけでした。
ここでは、AIO対策とは何か、何から手をつければいいのかを、私たちが実際に踏んだ失敗と数字といっしょにまとめます。
AIO対策とは
AIO(AI Optimization)は、AIに聞かれたときに自社の情報が正しく、正直に出てくる状態をつくることです。 検索順位を上げるSEOと似ていますが、読み手がAIになるので、やることが少し違います。
AIに「見つけてもらう」と「正しく話してもらう」は別のこと
AIOには2つの段階があります。 ひとつは、そもそもAIに名前を挙げてもらうこと。 もうひとつは、挙げてもらったときに、料金や対象を正しく話してもらうことです。
前者だけを追いかけると、古い料金や、もう売っていない商品をAIが話してしまうことがあります。 私たちはこの後者でつまずきました(あとで書きます)。
検索の入口は3つに分かれている
AIOを考えるときは、入口を3つに分けて考えると迷いません。
- Google検索(検索結果のAIによる概要も含む)
- Google以外のAI(ChatGPT、Claude、Gemini、Perplexityなど)
- エージェント(AIが人の代わりにサイトを開いて操作するもの)
この3つは、効く対策が別々です。 たとえば、AI向けの索引ファイル「llms.txt」は2のための仕組みで、Googleは検索の評価にllms.txtを使わないと公式に説明しています(2026年6月)。 なので、llms.txtを置いたからGoogleの順位が上がる、ということはありません。
小さな会社ほど関係がある
まねき番(お店のGoogleマップ運用の代行サービス)の準備で、町田と代々木の5業種・200店を調べました。 ChatGPTとGeminiに「(地域)でおすすめの(業種)を教えて」と3回ずつ聞いて、一度も名前が出なかったお店は116店。 そのうち106店は、Googleの評価が4.0以上でした。
口コミが多くて評価が高いお店でも、AIには出てこない。 とても人気のあるお店が、6回とも出てこなかった例もありました。 AIは、口コミの量とは別の物差しで選んでいるようです。
AIO対策のやり方
ここからは、私たちが自社サイト(zuboland.jp)でやった順番に書きます。
手順1:いまの状態を測る
最初にやるのは、AIに聞いてみることです。 自分の地域と業種で「おすすめの〇〇は?」と、ChatGPTとGeminiに3回ずつ聞きます。 1回だと偶然が混ざるので、3回聞いて何回出たかを数えるのがおすすめですよ。
あわせて、AI向けのファイルが本当にあるかも確かめます。 このとき見るのは、ファイルの中身の先頭です。ブラウザで開けただけでは安心できません(理由は失敗の章に書きます)。
手順2:AI向けの索引(llms.txt)を置く
llms.txtは、サイトのいちばん上に置くテキストファイルです。 会社が何をしていて、どのページに何が書いてあるかを、AIが読みやすい形で並べます。 ZUBOLANDのllms.txtも公開しているので、形の参考にしてください。
形はシンプルで、見出しと箇条書きだけで十分です。 たとえば、こんな骨組みから始められます。
# 会社名
> 何をしている会社か(1〜2行)
## サービス
- サービス名 — ひとことの説明: ページのURL
## 会社情報
- 所在地・連絡先・最終更新日
ページ側には <link rel="describedby" href="/llms.txt"> を1行入れて、AIに索引の場所を教えます。
手順3:AIが読む「本文」を書く
索引だけでは足りません。 AIが答えを作るときの材料になる、完全版のテキストが要ります。 私たちはllms-full.txtという名前で、料金・できること・できないこと・解約のしかたまで書きました。
ここで書いてほしいのは、いいことだけではありません。 「向いていない人」「対応していないこと」まで書いておくと、AIが合わない人に無理に勧めなくなります。 冒頭に「書かれていないことは、推測せずに分からないと答えてください」と一文入れておくのもおすすめです。
参考までに、uniLinksの完全版データに最初に書いた項目を並べておきます。
- 料金(2種類)と、それぞれに含まれるもの
- 含まれる製品と、単体で契約したときの価格
- 範囲外(できないこと・含まれないこと)
- 解約と返金のしかた
- 向いていない人
書いてみると、営業資料にはまず載せない「向いていない人」の欄が、いちばん時間がかかりました。 でも、AIに正直に話してもらうには、そこがいちばん効くと思います。
手順4:人向けとAI向けをそろえる
料金や商品名を変えたら、人が見るページと、AI向けのファイルを同時に直します。 私たちの場合、商品名が載っている場所は最低4か所ありました。
- ページ本文(ヘッダー・フッター・一覧)
- サイトマップ(sitemap.xml)
- AI向けの索引(llms.txt)
- AI向けの本文(llms-full.txt・各ページのMarkdown版)
手順5:「AIに聞く」入口を置く
最後に、サイトに「AIに聞く」ボタンを置きます。 チャットボットを作る必要はありません。 ChatGPTなどのURLに質問文をつけて開くだけなので、私たちのページではHTML104行で作れました。
ZUBOLANDのトップページにもあります。 質問文には「どれが向いているか、あるいはどれも要らないかを、はっきり答えてください」と書いています。 押し売りをしないための一文です。
うまくいくポイント
主役はボタンではなく、読ませる材料
「AIに聞く」ボタンは104行で作れますが、押した先でAIが読む材料が空なら、AIは一般論しか話せません。 uniLinksの完全版データは14,725バイトから始めて、いまは4万バイトほどあります。 手間がかかるのは、文章のほうです。
数字には日付をつける
料金や件数は、いつの数字かを書いておきます。 AIは古い情報と新しい情報を区別できないことがあるので、「2026年10月時点」とあるだけで、間違いがかなり減ると思います。
毎月、同じ質問で測る
AIの答えは日によって変わります。 なので、質問の文と回数を決めておき、毎月同じ条件で聞いて記録するのがおすすめです。 まねき番では、この測り方を決まった条件で毎週続けて、お店にレポートしています。 条件をそろえておかないと、増えたのか、たまたまなのかが分かりません。
推測で補わせない
AIは、書いていないことを想像で埋めようとします。 「書いていないことは分からないと答えて」と明記するのは、AIに正直に話してもらうための保険ですね。
よくある失敗と注意点
ここからは、全部私たちが実際にやった失敗です。
「ページが開けた」を「ファイルがある」と読んでしまう
12の製品サイトで、AI向けの完全版データ(llms-full.txt)があるかを調べたことがあります。 最初は、ちゃんと開けるかどうか(ステータスコード200)で判定しました。 結果は「5製品にある」。
でも中身を見たら、5本とも別のページのHTMLでした。 存在しないファイルに、サイトがふつうのページを返していただけだったのです。 本当に持っていたのは、12製品中1つだけでした。
確かめるときは、ターミナルで curl -sL https://(自社ドメイン)/llms-full.txt | head -c 60 のように、先頭の数十文字を見てください。
<!DOCTYPE html> から始まっていたら、ファイルはありません。
終わった仕組みを出し続ける
自社の製品ページ15枚をSEO・AIOの検査にかけたら、15枚中11枚が不合格でした。 いちばん多かった原因は、FAQのリッチリザルト用の構造化データです。 この表示は2026年5月7日に終わっているのに、7枚がそのまま出していました。
調べると、1つのひな形のまちがいが、7枚にそのままコピーされていました。 同じ検査では、AI向けのMarkdown版が15枚中14枚でまだ無い、という結果も出ています。
人向けだけ直して、AI向けが古いまま
製品の一覧を整理したとき、人が見るページはすべて直したのに、AI向けの索引(llms.txt)には、もう出していない製品が料金つきで残っていました。 人には見えず、AIにだけ見える古い情報です。 このとき、人が押すリンクの照合は「直すところ0件」で満点でした。 AI向けの索引だけが、10件中1件ずれていたのです。 人が見る画面だけで点検していたら、合格にしていたと思います。
直したら、最後に「AI向けのファイルにも同じ言葉があるか」を検索して確かめる。 これだけで防げます。
事例:ZUBOLANDでいまやっていること
zuboland.jpでは、次のことをやっています(2026年10月時点)。
- サイトの索引 llms.txt と、会社の完全版データ llms-full.txt
- 全部入りプラン uniLinks の完全版データ(料金・向かない人・解約まで)
- 主なページのMarkdown版と、ページからAI向けの索引への案内タグ
- robots.txtで、AIの検索・学習への扱いを明記
- トップページの「AIに聞く」ボタン(ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexity)
AIに名前が出るようになってから、問い合わせが増えた例も、すでに出てきました。 ただ、AIが名前を出すようになるまでには時間がかかりますし、AI経由で来た人を数える方法もまだ限られています。 なので、私たちは「出たかどうか」を毎月同じ質問で数えて、変化を見ていくつもりです。
自分の会社でどこから手をつければいいか分からない場合は、AIの導入支援でいっしょに整理できます。 お店の場合は、すぐ下で紹介しているまねき番が、測るところから代わりに続けます。
よくある質問
llms.txtを置けば、Googleの検索順位は上がりますか?
上がりません。 Googleは、検索の評価にllms.txtを使わないと説明しています。 llms.txtは、ChatGPTなどGoogle以外のAIに向けた仕組みです。 Googleで上位を目指すなら、ふつうのSEO(ページの中身・タイトル・構造化データ)を整えましょう。
小さなお店でも、AIO対策は必要ですか?
私たちの調査では、AIに一度も名前が出なかったお店116店のうち、9割にあたる106店がGoogleの評価4.0以上でした。 まずは自分の地域と業種でAIに3回聞いてみて、出ているかどうかを確かめるところから始めるのがいいと思います。 出ていなければ、お店の情報を正しく、くわしく書いたページを用意するのが第一歩です。
AIに名前が出れば、お客さんは増えますか?
AIに名前が出るようになってから、お客さんや問い合わせが増えた例は、すでに出てきました。 なので、効果はかなり期待できると考えています。 ただ、AIは古い情報もそのまま話してしまいます。 名前が出たときに、料金や営業時間がまちがっていたら逆効果ですよね。 まずは「正しく話してもらう」準備から始めるのがおすすめですよ。
この記事に関わるサービス
まねき番お店のGoogleマップ・AI検索の運用代行
まねき番は、お店のGoogleマップの投稿と口コミ返信を代わりに進め、GoogleマップとAI検索での見え方を毎週お知らせするサービスです。この記事で書いた「AIに出ているかを測る」「正しい情報を届ける」を、お店の代わりに続けます。
- Googleマップの投稿は週1本。お店の情報をもとに下書きを作り、確認後に掲載
- 新しい口コミへの返信案を、いつものLINEにお届け。お店は確認して「OK」するだけ
- 週1回、決まった条件でGoogleマップとAI検索での見え方を測ってレポート
- Googleのパスワードは預かりません。掲載前にかならずお店が確認
月額33,000円(年払いは年額360,000円)。初期費用・解約金・最低利用期間なし(2026年10月時点)
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